棺の記憶

著 : 中村 一朗

『棺の記憶』・解説


 これは、従来の小説とは異なります。

 紙のメディアとは異なる、電子書籍小説の可能性を探る目的で記してみました。

 同じ時間の中で起きたひとつの事件を、三人の登場人物から描く構成になっています。

 それぞれの登場人物が“担当する”物語は、以下の5章ずつ。

「吉岡:Vol.1~5」

「ミラー:Vol.1~5」

「石郷:Vol.1~5」

 すなわち全部は、この15章の構成で出来ています。


 ひとつの出来事が、“彼ら”それぞれの目には、まるで別の事件のように映ります。

 その差異を味わえるのは、読者である“皆様”の特権です。



 これらの15の章の中から過半ほどを選択すれば、ダイジェスト版の小説にすることも出来るし、過半を組み替えれば中編小説に作り変えることも出来ます。それぞれのキャラから1章から5章をひとつずつ選択すれば、短編小説に生まれ変わります。

 そして言うまでもなく、通しで読めば、一般的な小説にも。

 気に入らない章やキャラクターが関係する部分を最小限にすることで、自分だけの小説を造ることが出来るかもしれません。


 とにかく、いろいろな楽しみ方を、味わっていただければと思います。



平成24年  6月

ノラオニ編集部



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