棺の記憶

著 : 中村 一朗

ミラー:Vol.3


 石郷涼子のアプローチが開始されて、既に二時間が経過していた。

 ミラー・クリスの執務室に設置された大型マルチモニターは、特別研究棟の中央実験室で続けられている〃棺〃の解析作業の模様を映し出していた。最新鋭の高速コンピュータはその処理能力の限界まで引き出されて、この半月の間で新しく組み上げられた認識融合プログラムを実行中だった。石郷の負荷を減らすバックアップのために開発されたものである。

 人間の精神に干渉する〃棺〃のメカニズムを分析するにあたり予め仮説として語られてきたが、ここに〃棺〃が搬送されてから検証されたことがある。認識融合プログラムもこれを前提に開発された。

 〃棺〃は犠牲者の心を解体し、それを素体として一種の精神世界を構築してきた。暗黒の感情で練り上げられた、亡霊たちの意識世界。これが外部から干渉しようとする者たちの精神を連鎖汚染する最外殻障壁の正体である。

 一般的な認識では、それは死の呪縛そのものだった。古代の悪霊の力などではない。〃棺〃によって殺された死者たちの怨念が〃棺〃を守っているのだ。これを除去しようとしている石郷の立場は、悪霊を払う霊能者である。

 最外殻障壁をひとつの人体に例えるなら、亡霊たちはそれを構成する臓器のようなものだった。それぞれの器官は独立した存在でありながら相互に連動してひとつの肉体を維持している。ひとつの器官がダメージを受けると他の器官が損なわれた機能を一時的に補い、損傷器官の早急な回復を促す。〃棺〃に接触を試みる者は、体内に侵入を企てる疫病のウィルスのようなものだ。特定の器官に取り憑いても、強力な抗体によって逆に撃破されてしまう。

 石郷の場合は、この人体を死に追いやるために送り込まれるガン細胞に等しい。すべての臓器に転移して連合性や補完システムそのものを破壊する。しぶとく強かに、ひとつの世界の秩序を崩壊させてゆく。

 そして認識融合プログラムは、人体の拒否反応を中和して毒物の侵入を円滑に図る。巫女が悪霊の調伏に用いる呪文のようなものだった。

 モニター中央部には赤と青の流動型精神造形モデルが複雑な姿で絡み合いながら蠢動いている。赤い方は映像変換された石郷の浸透性精神モデル、青い方は同様の処置を施された〃棺〃の擬似精神モデルである。石郷の干渉が〃棺〃の解崩防壁に浸透し、酸がたんぱく質を分解するように崩壊に導いていく様がCG映像に翻訳されてモニター上に表現されているのだ。

 積乱雲のようにゆっくりと凝集して形を変えながら煌めく青いモデルを、赤いモデルは台風のように激しくうず巻きながら包囲を狭めていた。この二時間足らずの間で青いモデルは赤いモデルに徐々に浸食され、境界面の内側は紫色に変わっていた。紫の変色部は既に青いモデルの四分の一程度にまで広がっている。一方の赤いモデルには全く変色の兆しはない。

 第一段階のミッションの成功は疑いようがなかった。一週間前の予備検査の段階で、ミラー直属の優秀な精神感応能力者がほぼ同じ認識融合プログラムを用いて接触を試みたが、逆に〃棺〃からの干渉で軽い精神汚染を被ってしまった。彼は現在、スネイクのメンバーたちと同様の治療を受けている。だから石郷が本格的アプローチを開始した際にはさすがのミラーもある程度の緊張を禁じ得なかったが、それは全くの杞憂に終わった。

 ミラーは石郷の鮮やかな手際にみとれていた。最高の外科手術を見ているようだった。卓越した石郷の精神感応能力に軽い嫉妬さえ覚えている。

 サブスクリーンにはCTスキャナーのような認識転送ユニットに身を横たえている白衣姿の石郷が映し出されており、その周囲には〃棺〃との同調経過をビジュアル化した変動型パラメーターグラフが無数に表示されている。

 石郷は準備手順の全てを一日でマスターし、四時間の仮眠を取っただけですぐに〃棺〃とのコンタクトを開始した。研究チームは十分な休息を取るように薦めたが、石郷は冷笑を浮かべて拒否した。必要ないから、と言って。その時ミラーは石郷がこのミッションを楽しんでいることを知った。石郷自身も、なるべく早く〃棺〃の中に眠る意志を覚醒させたく思っていたのだ。

 なぜか。単なる好奇心によるものなのか。

 ミラーは椅子に身を委ねながらぼんやりと考えた。

 仕事に情熱を傾ける姿は歓迎するが、程度を越えての熱中は望ましくない。どれほど優秀でも石郷はチェスの駒に過ぎない。強力なクイーンも、キングの勝利のために活躍する使い捨ての道具であればそれが理想なのだ。

 ミラーはデスクの傍らに置かれた赤い表紙の報告書に手を伸ばした。ミラー直属の研究班〃メビウス〃から提出されたもので、ミラー以外の誰の目にも触れることのない報告書だった。財団内ではメビウスレポートと呼ばれている機密文書である。専門家向けの説得力と科学的理論に裏打ちされた学術論文と異なり、ビジョンに裏打ちされた直感的な飛躍が重視されている。

 メビウスのメンバーはミラーと同類の異能力者でもある。近代科学技術から各自のサイキック能力まであらゆる方法を駆使して、調査対象の本質を探り当ててゆく。特に今回の〃棺〃の調査に際して、彼らの様々な能力は遺憾なく発揮されていた。〃棺〃と石郷の意識との同調を促す認識融合プログラムの基本設計も、彼らのアイデアをベースとしていた。

「すごいものですね、あの女」

 ミラーの後ろで、ナディア・グラジスキーが呟いた。今回のレポートの主任作成者である。ナディアの声でミラーは再びモニターに目を向けた。

「私も驚いている。予想以上の力だ」

「個人の認識スケールで〃棺〃の擬想世界を包み込むなんて、この目で見ていても信じられません。バックアップがあるとは言っても、怪物だわ」

「そうだな。だが怪物の謂れは精神感応能力によるものではない。外部からの如何なる精神干渉も受けつけない防御能力こそがイシザトの強みだ」

「幻想浸透圧は融合プログラムの限界値です。もしかしたら彼女なら、バックアップ無しでも最外殻障壁を打ち破れたかも知れない。貴重な存在です」

 ミラーはロシアから来た小柄なその女を一瞥した。

「それでは困るのだ、ミセス・ナディア。ミス・イシザトは外部の人間であることを忘れないでくれ。彼女無しでも、いつでも封印を解除出来るようにしておきたい。次のミッションでは必要になる」

 一瞬、ナディアの顔に不思議そうな表情が浮かんだ。ミラーが石郷涼子への依頼を打ち切るつもりでいるのかと疑問を抱いたのだ。だがミラーの目には、それについて一切の問いかけを許さない頑なな光が宿っている。

 ナディアはその暗黙の示唆を理解した。

「あの女が操っている封印消去パターンはプログラムの解析ルーチンの中に完全な形で記録してあります。イシザトの擬似人格フィルターを介して再統合すれば、AIがイシザト並みに臨機応変の対応をしてくれます。もっとも今回のミッションがこのまま成功すればの話ですけど」

「それについては、もう心配はない。時間の問題だ。ところで…」

 ミラーはナディアの方に向き直った。目が合うとナディアは頷いた。

「そのレポートに記した通りです。ひと月前にあの遺跡の奥の部屋で、四枚の石版が発見されました。部屋の四方を囲むように壁面に配置されていました。部屋の大きさはこの執務室程度でした。部屋自体も厚い壁で隠されており、内部にはぎっしりと砂が詰められていました。意図的に隠されていたものです。研究班が見落としたのも仕方ありません。見つけだしたのは私のチームのスタッフでデビッド・ロビンソン。彼のダウジング能力によるものです。そこに記されていた古代文字は未知のものでしたが、現在も解析作業中です」

「ミスター・デビッドには特別手当を払うよう指示しておいた。それで、ミセス・ナディア。君の感じたビジョンを前提にして解析を進めているのだね」

「はい。断片的なイメージフラッシュでしたけど、あれが〃棺〃の擬想障壁に守られている〃核〃に関連する碑であったことは確信しています」

「直接見せて貰うつもりだが、宜しいな」

「そのために砂漠の研究所からここまで来ました。でも、御覧になるのは出来るだけ石版のイメージだけにして頂きたいとは思いますけど」

 ナディアが笑みを浮かべ、ミラーが笑い返した。

「医者の前で服を脱ぐ患者の心理だね。大丈夫だよ、ミセス・ナディア。私は礼節の価値を理解しているつもりだ。脈をとる程度のことだしね」

 ミラーが先に目を閉じ、ナディアがその後に続いた。

 ミラーは精神感応による読心を試みるのではない。石版からナディアが受け入だビジョンそのものを追体験しようとしているのだ。

 ナディアの心に精神を集中する。周囲の環境情報がミラーの五感が切り離され、第六以降の感覚が覚醒する。全てが暗黒転換された擬想の中で、研ぎ澄まされた精神の触角は時空を越えて、ナディアの記憶の奥に侵入していった。

 闇の中にただひとつ、仄白い光の帯に視覚変換されて映る特定の記憶への道が示されていた。ミラーはそれに沿って跳んだ。ナディアの意志による抵抗はない。異物を排除しようとする本能的な反射作用が微かにミラーの行く手を遮るだけだ。柵のような形で象徴として現れるそれらを、ミラーは回避しながら光の帯に導かれて精神の奥底へと進んでゆく。

 記憶層の周囲にはナディアの日常の記憶が無数に溢れていたが、ミラーは敢えてそれに触れようとはしない。ナディアの特異能力は過去認知能力、いわゆる〃千里眼〃だった。時には、未来の可能性さえ認知することもあるという。時間軸の拘束を超越して物体から情報を引き出す超知覚能力。そんな力を持つナディアの日常に興味がない訳ではなかったが、礼儀をわきまえていると宣言していたから、〃千里眼〃の持ち主の心を覗き見るようなことは控えた。

 ナディアがミラーを導いている心の道の果てに、光り輝く部屋があった。

 そこに辿り着くと同時に、ミラーはミラーとしての自己同一性を保持したまま、ナディアの感情に同調してその精神に同化してゆく。

 そして四枚の石版に秘められていたひとつの擬想を観た。

 好奇心と、それに勝る未知への恐怖。ミラーがナディアの記憶に同調した時に最初に感じたものだった。無論、ミラーのものではない。ナディアがこのビジョン全体を通して抱いている感情であった。彼女が恐怖を抱くのは人間と同じである。不死の体を持つ異能力者であっても肉体や精神に著しい損傷を受ければ絶命する。ナディアが抱く恐怖は死の予感に由来するものだった。

 ミラーの視界に飛び込んできた光景は、赤く焼けた広大な砂漠だった。

 天空は黄昏時のように赤く、鱗に似たどす黒い雲がその過半を占めていた。風はない。肌をチリチリと焼く乾いた熱気が大気に充満している。

 動くものはない。一切の時間が制止しているように。

 振り返ると、そこに小さな砂の丘があった。砂丘の上にはアールヌーヴォ調の装飾が施された金属製の大型の椅子がひとつ、ぽつんと置かれている。椅子は天空から注がれる赤い光を受けて不気味な黄金色に輝いていた。

 主のいない黄金の玉座。それはミラーを魅了していた。

 ふいに空の一角が揺らいだ。続いて、凄じい轟音と閃光。ミラー、即ちナディアは思わず手を翳して目を細めた。滝のような光の澀きが椅子に向かって降り注がれている。突然、露出した皮膚が焼けるほどに大気は更に過熱した。夥しい光の飛沫が弾け飛び、周囲の地面を焦がしていく。

 光と熱の直撃を受けながら、椅子の黄金色の輝きは揺るがない。

 連続する落雷を間近で見ているようだった。ナディアの精神体は恐怖に退こうとしたが、その衝動に抗してミラーはその中心点である黄金の椅子を睨みつけていた。そして意識が途切れる最後の瞬間、ミラーは光の中に小さな人影を捉えた。その人影の正体を見極めようとした時、ナディアの防衛本能によるビジョンからの離脱に応じてミラーの意識も現実へと回避していた。


 目を開くと同時に軽い眩暈を覚える。それでも反射的に時計に目をやった。三十分近い時間が経過していたことを知った。

「申し訳ありません」と、ナディアが呟いた。

「詫びる理由などない。あのビジョンに危機感を抱くのは当然だ。私はあれがミセス・ナディアの記憶と知っているから客観的な観察者でいられただけだ。ところで、君は報告書の中に腐臭に満ちた地獄の大地と記していたな。屍を積んで築かれた丘の上には竜の骨で造られた椅子があり、天空から注がれた血の滝が骨の玉座に肉を纏わせて何かの意志を降臨させた瞬間を垣間見た、と」

「はい。今、マスター・ミラーが御覧になった通りです」

「そうか…」

 ナディアの観たビジョンとミラーの観たものは明らかにイメージが違う。だがそのことをナディアたちと話し合うつもりはなかった。

 石版から読み取った情報の素材は同じでも、無意識的な発動による認識能力の差が異なる擬想世界を観せているらしい。報告書によれば、以前にも複数の精神感応能力者がナディアのビジョンに接触している。彼らの観たものは概ねナディアが報告書に記した通りのもの、即ち〃棺〃に接触した人間を発狂させるような血みどろの地獄絵図だったという。細部においてイメージの微妙な差異はあるものの、大旨では同じ類のものだった。

 では、自分が観たものは何だったのだ?

 乾いた大地と、腐肉の大地。燃えるような大気と、死臭の充満する大気。黄金の玉座と、竜骨で造られた悪魔の椅子。白金に輝く光の滝と、夥しい流血。そして光の中に降臨した小さな人影と、肉を纏って復活しようとする怪物…

「…玉座は主を逃がさない…。ビジョンの最後にわたしが聞いた〃声〃です。石版に託されていたメッセージと思います」

「その主とやら、竜骨の玉座が造り出したものなのか」

「誰かが〃ノアの棺〃の中で眠るために用意したものかも知れません。何れにせよ、あの中には意志を持つ何かがいます。残留思念などではありません」

 ミラーは報告書に視線を向けながら頷いた。

「…一千年の時の流れにも色あせない魂のタイムカプセルか。もしそうなら、玉座の主は復活を望んでいるのかな。どう思う、ミセス・ナディア?」

「正確なことはわかりません。ですが、〃玉座は主を逃がさない〃という声を信じるなら、主の思惑と玉座の目的は異なるものになります。玉座は一方的に主に従っているのではなく、その自由を束縛しているように思えます。もっともそれが玉座の主の意志だったのかも知れません。何らかの条件が揃うまで、主を玉座から解放しないということです。〃ノアの棺〃の封印を解き、玉座の主と直接接触のできる者が現れる時まで待ち続けてきたと考えています」

「封印を解くことができる力を持った者が現れたら、復活すると思うのだな。古代の天才的魔導師ノア…。〃棺〃を造り出した存在か」

「はい。文献から推測するなら、最大で三つの意志を想定できます。〃棺〃の意志、玉座の意志、ノアの意志、の三つです。すべてがノアの意志によるものであるとも考えられます。あるいはその二つが同じ意志かも知れません」

 これはテストだ、とミラーも思う。接触を試みるの力を図るために、ノアによって仕掛けられたテストなのだ。そして〃棺〃の封印を破ることが出来た者にだけ、ノアは訪問を受け入れるつもりだ。では、その目的は何か。

「報告書には記されていなかったと思うが、ノアのキャラクターについてはミセス・ナディアなりの推測を知りたいのだが」

 ノアのキャラクターが解れば、その思惑も予想できるかも知れない。

「申し訳ありませんが、それについては全くわかりません。ある程度の権力を持ち、単独で〃ノアの棺〃を造り出したらしいということ以外には、何も。ノアが男だったか女だったか、それさえまだ解っていません。」

 ミラーは笑った。自嘲ぎみな笑みは不安を隠す壁になる。

「いや、いい。それが知りたくて、〃棺〃の蓋を開こうとしているのだ」

 それから暫く、ミラーとナティアは報告書の内容を確認するように細部に至るまで話し合った。報告書に記されていること以上のものは得られなかった。逆に言えば、報告書はほぼ完璧なものであったことになる。

 約一時間が過ぎてひと通りの話が終わった頃、メインモニターの形而軋轢グラフが警報色に変わった。激しく揺らめく青い流動型精神造形モデルがほぼ紫色に変色している。変色の全くない赤いモデルに接している部分は更に暗い灰色に変わりつつあった。ほぼ同時に、モニターの右上に新しい三次元グラフが現れた。剥落する幽体素子を消去する洗浄プログラムが起動したのだ。

「どうやら、最外殻防壁が自己崩壊を始めたようですね」

「そうらしい。あの任務が終われば、イシザトは報告のためにここに来ることになっている。時間があるなら、一緒にどうかな」

「いえ、結構です。イシザトには会いたくありません。失礼します」

 きっぱり言い切ると、ナディアは一礼して踵を返した。

 ミラーは軽く手を振ってナディアを送り出すと、赤い表紙の報告書をキャビネットの一番下の引き出しの奥に片付けた。表向きの極秘資料は以前にナディアが電子メールのかたちで送ってきており、ファイルの中に保存してある。石郷に見せるものはそちらの方で十分だった。

 やがてサブモニターのスクリーン上で石郷が目を開いた。石郷はカメラごしのミラー視線に気づいているようにこちらをじっと見ている。が、すぐに寝台から滑らかな動作で身を反転させると床に降りて視界から消えた。

 ミラーは、メインモニターの映像を特別研究棟の地下三階に安置されている〃棺〃に切り替えた。外見に変化はない。しかし、常時放射していた電磁分布パターンをはじめとする各種の計測データには若干の変移が認められる。質量の増減も、ナノスケールの計測でも停止していることが確認された。

 〃棺〃の最外殻障壁は完全に消滅していた。

 十分後。石郷はミラーのオフィスに姿を見せた。

「さすがだ、ミス・リョウコ」

 まんざら縁起でもない賞賛の意が言葉に籠っている。精神感応能力者としてはほぼ完璧に近い。こちらの真意を読ませぬように細心の注意を払いながら、そうとは微塵も感じさせないように意識する。

「君の言葉を信じなかった訳ではないが、まさかこれほど早く最外殻障壁を突破するとは思わなかったよ」

 ミラーはグラスにブランデーを注いで石郷に差し出した。が、石郷は右掌を上げて拒否した。まだ酒を飲む気はない、とでも言うように。ミラーは彼女が今日中に〃棺〃の中に精神跳躍を試みるつもりであることに気づいた。今夜は満月だ。ミラーも石郷も心身共にもっとも充実する時期である。

 ミラーは石郷のために用意したブランデーを一気に飲みほした。石郷に対するささやかな宣戦布告のつもりで、軽い笑みを浮かべながら。



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